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【明治神宮】正式参拝 千夜賀風 日本刀・薙刀試斬演武

【明治神宮】正式参拝  千夜賀風 日本刀・薙刀試斬演武

千夜賀風 日本刀・薙刀による試斬演武(2026年1月24日)

日本一の初詣参拝者数を誇る、静謐なる社――明治神宮。
令和6年1月24日、千夜賀風は明治神宮にて正式参拝(内拝殿参拝)を行い、日本刀・薙刀による試斬演武を披露させていただきました。
明治神宮は、明治天皇をお祀りする東京都渋谷区の神社であり、都心とは思えないほど広大な杜に包まれた、神聖で静寂な空間です。新年には毎年320万人以上の参拝者が訪れ、初詣の参拝者数としては日本一を誇ります。

千夜賀風にとっての深いつながり

今回の正式参拝に際し、千夜賀風は明治神宮内にて日本刀・薙刀による試斬演武を行いました。私たちにとって明治神宮は、単なる稽古の場を超えた、ご縁深き場所です。
というのも、千夜賀風が稽古を重ねている拠点のひとつである千葉県・鴨川の道場がある土地は、古来より宮中の「亀卜(きぼく)」によって選ばれた神聖な地とされており、かつて明治天皇の大嘗祭(だいじょうさい)が執り行われた、由緒ある場所でもあります。
大嘗祭とは、天皇が即位後初めて行う国家的な祭祀であり、五穀豊穣と国の安寧を祈る、極めて神聖な儀礼です。その舞台となったこの土地で日々刀と向き合い、所作と心を整えてきた私たちにとって、今回、明治天皇をお祀りする明治神宮でその精神と響き合う時間を持てたことは、大きな誇りであり、かけがえのない経験となりました。

明治天皇と日本刀 —— 展覧兜割りの記憶

明治天皇は、日本屈指の刀剣愛好家としても知られ、約300振もの日本刀を所蔵していたと伝えられています。その審美眼と精神性は単なる収集にとどまらず、日本刀を通じて大和心や武士道の本質を見つめるものでした。

明治時代初期、文明開化の波が押し寄せるなか、失われゆく武士の精神と日本刀の価値を守ろうとした一人の剣士がいました。
榊原鍵吉——幕末の幕臣であり、剣術の達人でもあった彼は、明治天皇の御前にて、かの有名な「展覧兜割り(てんらんかぶとわり)」を実施します。
これは、甲冑師・明珍家が鍛えた実戦用の鉄兜を、真剣によって真っ向から一刀両断するという、剣技と刀そのものの性能を世に示す試みでした。しかもその場には、明治天皇をはじめ、近代日本を担う要人たちが列席していたとされます。

こうした歴史的背景を思うとき、現代において日本刀を手に抜刀を稽古し、その所作と精神を探究する千夜賀風にとって、今回の明治神宮での日本刀・薙刀の試斬演武は、深い感慨とともに、時を超えて受け継がれる日本刀文化への敬意を新たにする機会ともなりました。

御製に込められた大和心

明治天皇が日本刀に託した想いは、御製(ぎょせい/天皇が自ら詠まれた和歌)にも表れています。

「身にはよし 佩かずなりても 剣太刀
研ぎな忘れそ 大和心を」
「しきしまの 大和心を みがかずば
剣おぶとも かひなからまし」

これらの御製は、刀を帯びることそのものよりも、心を磨き続けることの大切さを私たちに伝えてくれます。千夜賀風もまた、刀を通じて心を整え、日々の所作にその精神を宿すべく稽古を重ねています。


千夜賀風薪能


千夜賀風薪能


千夜賀風薪能

終わりに

かつて武士が刀を通して己を磨いたように、私たちもまた、静かな所作のなかに心を映し、今という時代にその精神を宿す道を歩んでいます。

明治神宮という特別な場で、歴史の記憶と向き合えたこのひとときに、深く感謝を捧げながら――
千夜賀風はこれからも、「旧きに倣い、今にめぐる」歩みを大切に、一つひとつの稽古に心を込めてまいります。

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