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『簗田寺薪能』 主催・開催のお知らせ

『簗田寺薪能』 主催・開催のお知らせ

簗田寺薪能 2024 パンフレット

2024年5月17日(金)に簗田寺で、町田市では平成元年(1989年)の「第1回町田薪能」以来、35年ぶりとなる薪能の公演「簗田寺薪能」を主催・開催いたします。主に地域の子どもたちを対象としていますが、もちろん大人の観覧も可能です。観世流・武田宗典先生をお迎えして開かれる本物の能舞台が、子どもたちにとって日本伝統文化の「原体験」になることを目的としております。
是非お気軽にご参加くださいませ。

日時 2024年5月17日(金)16:00 開演
会場 簗田寺 境内(東京都町田市忠生2-5-33)
※雨天時は本堂内・駐車場なし
観覧料 無料
主催 千夜賀風
協賛 ゼロシーセブン株式会社、株式会社FLOWer
後援 社会福祉法人東香会YATOプロジェクト
お問合せ 千夜賀風 contact@senya-gafu.com

千夜賀風せんやがふうは、「ふるきにならい、今にめぐる。」をコンセプトに、簗田寺りょうでんじをはじめ各地で日本刀を用いた抜刀体験のプロデュースやサービスを提供しています。この活動は、単なる体験提供にとどまらず、その土地ごとの歴史や物語、日本刀の背景にある豊かな文化や歴史を丁寧に伝え、武士が嗜んだ多岐にわたる文化や芸術への理解を深めることを目的とし、日本の伝統文化の魅力を再発見する機会を提供しています。

このたび、千夜賀風は、簗田寺の歴史的背景と地域社会における文化的活動に触れ、地域社会への貢献を目指し、体験プロデュースのノウハウと日本の伝統芸能に従事する人々との人的ネットワークを活かして、薪能プロジェクトを発足しました。このプロジェクトでは、日本の子どもたちに幼少期から本物の日本の伝統文化に触れさせることを重要な目標として掲げています。

子どもたちへ日本の伝統文化の「原体験」を。

ここ簗田寺の歴史は、約1100年前の平安時代に遡ります。平貞盛が平将門の乱を鎮圧するため、この地でも戦があり、平家の両軍の死者を集め火葬し、東香堂を建立したのが始まりです。その後、室町時代に室町幕府の関東管領 上杉憲定により東岳寺が建立され、江戸時代には、桶狭間の戦いの第一功労者の簗田家の菩提寺として簗田寺が建立されました。簗田寺は数々の武将や武士たちの精神を受け継ぎながら真言宗、浄土宗、曹洞宗といった宗派の変遷を経て、およそ500年ごとにその姿を変えてきました。

時代 平安時代~ 室町時代~ 江戸時代~
年号 天慶二年(939年) 応永十六年(1409年) 寛永六年(1629年)
宗派 真言宗 浄土宗 曹洞宗
開創 平貞盛が東香堂とうこうどうを建立
(初開創)
上杉憲定が東岳寺とうがくじを建立
(再開創)
簗田正勝が東向山貞憲院簗田寺とうこうざんていけんいんりょうでんじを建立(重開創)

昨年、簗田寺は国交省観光庁が推進する「歴史的資源を活用した観光まちづくり推進事業」に採択され、日本の禅文化を体験できる宿坊「泰全」をオープンしました。ここでは、精進食堂「ときとそら」を通じて、訪れる人々に季節ごとの物語りと共に独自の食体験を提供しています。
これらの活動は、副住職の齋藤紘良さんが推進する保育事業や地域文化活動と連携し、「すべては子ども中心」という理念のもと、地域社会における文化的活動を活性化しています。特に、500年という時間軸をもつYATOプロジェクトを通して、地域文化の保存と伝承に努めています。

千夜賀風は、簗田寺の歴史的背景と地域社会における文化的活動に触れ、地域社会への貢献を目指し、体験プロデュースのノウハウと日本の伝統芸能に従事する人々との人的ネットワークを活かして、薪能プロジェクトを発足しました。このプロジェクトでは、日本の子どもたちに幼少期から本物の日本の伝統文化に触れさせることを重要な目標として掲げています。このプロジェクトの目標と理念に対して、ゼロシーセブン株式会社と株式会社FLOWer から深い理解と強い賛同を得てスポンサーとしてご支援いただき、簗田寺薪能が実現する運びとなりました。

この薪能プロジェクトを通じて、子どもたちへ日本の伝統文化の「原体験」を提供し、文化の魅力と意義を直感的に理解してもらうことで、その記憶が彼らによって将来伝承されることを目指します。この取り組みは、現代日本における初めての試みであり、子どもたちに与える文化教育の影響力とその長期的な効果に大きな期待を寄せます。

東福門院さまが繋ぐ簗田寺薪能のご縁

簗田寺には、徳川家康の孫娘であり、後水尾天皇に嫁いだ東福門院(徳川和子)のご位牌が安置されています。このご位牌は、天皇家の菩提寺である京都の「泉涌寺」と熊谷直実創建の「法然寺」と共に、簗田寺にのみ安置されています。

東福門院は、徳川家康の悲願である「徳川の血を引く天皇の誕生」を叶えるため、わずか14歳で京都御所へ嫁ぎました。彼女は生涯、故郷の江戸に戻ることなく、72歳でお亡くなりになるまで朝廷と幕府との架け橋として尽力されました。東福門院のお付きの武士(女院附武家)として最後まで長くお仕えしたのが、簗田寺ゆかりの梁田正勝の長子 梁田直次であり、東福門院は魂(ご位牌)となって武蔵野へ、ここ簗田寺に戻ってきたのです。

400年前当時、東福門院は、京都の上賀茂神社が傷んでいることを知り、建て直しの費用(現代で300億~400億円相当)を徳川家が負担すると申し出ました。このおかげですべてが再建され、現在の上賀茂神社の姿となっています。その上賀茂神社のご神紋である「葵(二葉葵)」と同じく、簗田寺の寺紋「丸に結双葉葵紋」も葵の葉が二つから成り立っています。「葵」は古くから神と人、人と人を結ぶ植物として祀られています。
簗田寺の寺紋は、双葉の葵が結びを成して円に収まる姿をしており、人々の結びつきと協力の重要性を象徴しています。この寺院は「結縁」という血縁を超えた精神を大切にし、寺紋にもその精神が表現されています。

今年4月、京都の上賀茂神社から双葉葵が簗田寺にやってきました。着いて間もなく双葉葵が花を咲かせ、その花言葉「細やかな愛情」は、簗田寺薪能のご縁と精神をさらに深めています。東福門院がかつて京都御所で楽しまれた茶会、能楽、香道、花道会など様々な芸能、文化芸術活動が今もここ簗田寺で息づいています。
簗田寺薪能の日は、東福門院のご位牌も共にあり、私たちと一緒にご覧になられます。子どもたちだけでなく、大人の方々にも古来より受け継がれてきた日本の伝統文化の素晴らしさを感じ取って頂けたら幸いです。

東福門院 辞世の句
             「 武蔵野の 草葉の末に宿りしか 都の空に帰る月影 」

薪能プログラム

16時00分:箏・尺八演奏

瀧 歌由衣率いる邦楽ユニット「咲音さくね」が、簗田寺の書院から優雅な箏と尺八の演奏を披露します。薪能に向けて特別にアレンジされた演奏曲を披露し、日本の伝統音楽の美しさと奥深さを伝えます。
同時に、簗田寺の図書室では、町田市内の山﨑智子お箏教室に所属する中高生たちが、お箏の次世代の継承を担い、子どもたちにお箏の触れ方と簡単な演奏体験を提供するワークショップを開催します。
お箏は通常180cm以上の長さがあり、普段はなかなか間近で見る機会がないため、この伝統楽器を直接見て、聞いて、触れることができる特別な体験を提供します。

邦楽ユニット「咲音」の ご紹介
代表:瀧 歌由衣(生田流筑紫会大師範)
2011年より演奏活動を展開。日本の心を伝える場として神社、寺院、ホテル、高齢者施設など多岐にわたる舞台で情緒豊かな音楽を奏でています。

演奏者:
 加藤 歌葉雨(お箏、三絃)
 村田 成子 (お箏)
 岡本 歌月桜(お箏)
 瀧 歌由衣 (お箏、十七絃)
 小林 淡山 (尺八)
 谷田 風郷 (尺八)

演奏予定曲目:(順不同)
 千本桜
 紅蓮華
 やさしさに包まれたなら
 シルクロード
 ジュピター
 花筏
 黒田節変奏曲
 華紋
 六段
 今様
 竹の郷 etc

18時30分:薪能の解説

薪能の解説は、観世流シテ方能楽師の武田祥照先生が行います。薪能の歴史、演目の背景、そして見どころについての詳しい解説が行われます。能楽への理解を深め、これから始まる薪能の演目をより一層楽しむことができるようになります。

18時40分:四方祓いの儀

千夜賀風の剣士たちが、簗田寺の特別な地理的配置にちなみ、東西南北のそれぞれの方角を清める儀式を執り行います。
簗田寺は「四神相応の地」に鎮座しており、東に鶴見川(青龍)西に御尊櫃御成道(白虎)南に相模原台地(朱雀)北に多摩丘陵(玄武)があり、最も良い「気」が集まる「最良の土地」に位置しています。この儀式により、良い「気」を集め、薪能が始まる前に場を清め整えます。

18時50分:薪能

日が沈む頃に、薪能が始まります。四方祓いの儀によって清められた舞台上で、能楽師たちは古の物語「敦盛」を情緒豊かに表現します。この演目は、簗田寺が平敦盛の祖先である平貞盛と深い繋がりがあり、多くの平家一門が眠るこの地に敬意を表して選ばれました。簗田寺薪能は、「鎮魂」「伝統の継承」をその核心に置いており、簗田寺の歴史的背景と精神性を次世代に継承する重要な一環として位置付けています。

シテ 武田 宗典むねのり

ワキ 御厨みくりや 誠吾せいご

地謡 武田 友志ともゆき
   武田 文志ふみゆき
   武田 祥照よしてる
   松木 崇俊たかとし

後見 武田 宗和むねかず
   武田 崇史たかふみ

笛  藤田 貴寛たかひろ

小鼓 飯冨いいとみ 孔明よしあき

大鼓 つくだ 良太郎よしたろう

お香の演出

江戸初期のファッションリーダーであり、香道を女性に広めた東福門院の精神を反映して、簗田寺薪能ではお香スタイリスト(株式会社FLOWer)によるお香の演出が行われます。薪能、箏曲・尺八演奏、お箏ワークショップの各プログラムに合わせて、日本伝統の香りが美しい香炉台と香炉ともに提供されます。これにより、各空間の雰囲気やテーマに調和し、訪れる人々が五感全てでこの薪能プログラムを深く感じられるよう、体験が一層豊かに彩られます。

簗田寺のショップ・出店のご紹介

簗田寺は開演前から開放されていますので、早めに訪れて散策をお楽しみください。
山作務や庭作務にもご参加いただけます。訪れる前に、以下のショップもぜひチェックしてみてください。きっと「素敵」な発見があるはずです。

珈琲焙煎所 CONZEN COFFEE
静謐な森と清らかな湧水に囲まれたこの小さな焙煎所。
それぞれの豆の持ち味を丁寧に引き出しながら、心を込めて焙煎されたコーヒーは極上の旨味で喉を潤してくれます。

花綵 hanazuna
簗田寺の里山に生きるたおやかな草花を摘み、ナチュラルな風合いのブーケや献花ををアレンジしています。
自然からの恵みを通じて訪れる人々に笑顔と幸せをもたらしてくれます。

調香所まとい
簗田寺の自然が育んだ草、樹、花、湧水などを用いたお香作りの体験ができる調香所です。
自らの手で香りを調合する体験は、日本の伝統的な香りの文化に触れることができます。

arohapono お菓子
arohaponoは、「愛(aroha)」と「真実(pono)」を込めた心温まるお菓子の楽園です。
厳選された素材と丁寧な手作りによって生み出される一つひとつのお菓子は、特別な思い出を作る一品です。

簗田寺薪能 2024 パンフレット

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